株式会社 行雲

仕事も子育ても、ぜんぶ「私の人生」——行雲流、ノーボーダーな働き方

2026.04.24

株式会社 行雲

住所:〒710-0054 岡山県倉敷市本町2-15
電話:086-697-6222
倉敷美観地区を拠点に「心の豊かな暮らしを創る」を企業理念としています。約10年で10の店舗・施設を創出。
その原動力が事業におけるクリエイティビティとPDCAのスピード、そして今の時代に合ったチームづくりです。

<プロフィール>左から

まなさん 総務・経理担当-2児のママ-(週4日勤務)

ちゅんさん 美観堂スタッフ-1児のママ-(妊婦さんいらっしゃい採用制度・産休育休・時短利用)

あゆみさん 有鄰庵 キッチン・ホール担当-1児のママ-(時短利用) 

あぽさん 広報担当-2児のママ-

とことん「個」として向き合う採用

―行雲には『妊婦さんいらっしゃい採用制度』というめずらしい制度があるそうですね

ちゅん

はい、私の入社をきっかけに制度化しました。「制度」と呼んではいますが、厳密に決まったルールというよりは、もともと行雲に根付いていた「組織全体をスタッフや状況に合わせて柔軟にアレンジさせられる風土」に名前をつけた、というイメージが近いかと思います。この制度は妊娠中だからという理由で採用を制限しない、というものです。私の時も妊娠4ヶ月で、あと数ヶ月働けるかどうかというタイミングでした。当時はダメ元で、すぐ辞めるような人を採用してくれるところなんてないだろうと不安の中での面接でした。面接はワンさん(行雲代表・犬養)がしてくださるんですけど、妊娠という事情を伝えたら「え? 妊娠してるとかしてないとか、採用に関係ありますか?」って。「今できることをやってください」と言ってもらえました。

ちゅんさんが、これまで考えていた「妊婦が働くってこういうものだ」という常識がひっくり返ったんですね

ちゅん

私自身、求職活動において妊娠は大きな障害だと思っていました。でも、行雲は「関係ないよ」と、『私個人』を見てくれました。また、面接時にまわりを見ても若い子が多く、少し年上の私がおしゃれなカフェでやっていけるかという不安を相談したところ、「それも、関係ない。ここで働く以上、1年目は1年目だし、年は関係ないよ」と言ってくれて。とても救われました。

あゆみ

ここには、本当にいろんな人がいて、年代も個性も豊か。行雲に来て、「個性豊かとは、お互いにあまり干渉しないこと」、それが個性を尊重するということなんじゃないかなって思うようになりました。「あなたはあなただよね」と、それ以上踏み入らない。みんな仲良く、でもべったりするわけじゃないという、いい距離感。

あぽ

それがワンさんのいつも言う「じりつ」ですね。自分で立つ、自分で律する。ここではコミュニケーションもとても丁寧で、常に相手を考えている。仕事上の役割としてだけでなく「ひとりの人間」として尊重されていると感じますね。

ちゅん

行雲って、「ありがとう」をちゃんと言葉にしてくれる職場なんです。自分ではたいしたことないと感じる仕事ひとつしただけでも、「ありがとう」と言葉にしてくれる。ちょっと気恥ずかしいし、自分では言えなかったんですけど、だんだん言えるようになってきました。今は職場だけでなく家でも言うようになって、娘も「ありがとう」が口癖になりました。娘を行雲に連れてきたら、みんなが「かわいいわね」って言ってくれるんですよ。それも真似して、ぬいぐるみに「かわいいわね」って言っています(笑)。行雲で、お互いを尊重しあう、素敵な言葉をいう習慣ができて、いい影響を受けているなぁって実感しています。

「すみません」はもうやめよう。——罪悪感が消えていく仲間の言葉と仕組み

―子育て中はどうしても急な欠勤や早退が発生します。申し訳なさを感じることはありますか?

あゆみ 

最初の頃は、17時半にお迎えがあるから、締め作業まで残れないことにどこか罪悪感がありました。でも、今はお迎えに行くまでの限られた時間で「プラスアルファを絶対やって帰るぞ」と意気込んで、毎日出勤しています。周りのメンバーやお店にどれだけ貢献できるかを考え、動くようになりました。そうすれば自分の罪悪感が消える気がして。もしそれが終わらなかった時は「あと10分で終わらせるので残らせてください!」って言います。「いいよ、やって帰りな」って明るく受け入れてくれるんですよ。

ちゅん

私は、まわりに迷惑かけているんじゃないかって申し訳なさがあって、「すみません」と言いがちです。でも、ワンさんにこう言われて、ハッとしました。「もし同じ立場の仲間が早退しなきゃいけない時、あなたは謝ってほしいと思う?……思わなくない?それって、自分のことを大事にしてないってことじゃない?」って。ああそんな見方があるのかと。でもなかなか自分の殻が破れなくて。自分を変えていきたいと思っているんですが、今はみんなが言葉や態度で「大丈夫」って言ってくれるので、そこに甘えさせてもらっています。いつか自分が「支える側」になった時には全力でサポートしたいですね。

―その助け合いを支える具体的な仕組みはあるのでしょうか?

あぽ

「兼務制」が大きいですね。 たとえば、カフェのスタッフがお土産屋のヘルプに入るなど 社内のいくつもの部署を横断して、日頃から一人が複数のポジションを経験し、働けるようにしています。またスタッフ同士がお互いをよく知る定例ミーティングがあることで、それぞれの事情を理解しあっています。誰かが急に抜けてもすぐにフォローし合える。これが行雲全体で、さまざまな状況をしなやかに受け入れられる力になっています。

あぽさんご自身も、広報とカフェ業務を兼務されていますね

あぽ

はい。そして「何かを犠牲にして働く」ことなく、自分のベストな状態で家庭も仕事も両立できています。たとえば、我が家は「18時に家族で夕食を囲む」というルーティーンを大切にしています。仕事も大好きだけど、そこを崩してまではしなくてもいい。自分の体と心が健やかな状態であることが会社への一番の還元だって考えています。

まな

私も子どもの成長に合わせて、週3日パートから徐々に勤務を伸ばしてきました。お互いの事情を尊重し、それを頼もしく思い合う空気がありますね。

どこでもお子さんウェルカム——社員の子どもを親戚のように受け入れる「行雲」が生まれたわけ

―ミーティングにお子さんが同席することもあるそうですね

あゆみ

4歳の息子を連れて行くのですが、みんなが親戚のように温かく迎えてくれます。息子は本当に行雲のみんなを親族だと思っています(笑)お母さんたちが本当に楽しそうに働いているから、子どももここは楽しい場所なんだって思ってくれます。

―ミーティングでは、お子さんが泣いたら外に出なければ、と気を遣うことはありませんか?

まな

 ワンさんが「(子どもが泣いても)出ていかないで」というスタンスです。お母さんの緊張が解けると子どもは不思議と泣き止むんですよね。私たちが子どもに癒されることも多いし、話し合いの場が和みます。むしろ、いつでも連れてきて!と言っています。

ちゅん

「どうしても参加したいけど預け先がない」という時、子連れを歓迎してもらえることで仕事での「おいてけぼり感」を感じずに済んでいるのはうれしいですね。

―和やかな雰囲気が想像できますね。こういった行雲でのさまざまな取り組みや制度はどうやって生まれたのか、教えてください

あぽ

行雲がやってきたことって、制度を作ったというより、「心の豊かな暮らしを作る」という企業理念に沿って、一人ひとりを尊重しながら向き合ってきた結果、自然とこの形にたどり着いた、という感じなんですよね。

―「自然とこの形になった」というのは、どういう経緯でしょうか?

あぽ

一人ひとりのスタッフを理解し、そのときどきのスタッフや状況にあわせて、行雲という場の方を変化させてきたんです。今後はそのノウハウを、他の会社とも分かち合っていく予定です。こういう働き方ができる会社があるって、誰かの気づきになったらいいなと思っています。

―子育てと仕事を両立する中での不安や葛藤は、多くの人が抱えているものでしょう。そうした不安をひとりで抱え込まなくていいコミュニティが、ここには確かにありました。「心の豊かな暮らしを創る」という理念が、日々の中に息づいているのだと感じられます。この暮らしのあり方が、誰にとっても当たり前の選択肢のひとつになる。そんな未来が思い描ける取材でした。

株式会社 行雲

住所:〒710-0054 岡山県倉敷市本町2-15
電話:086-697-6222
倉敷美観地区を拠点に「心の豊かな暮らしを創る」を企業理念としています。約10年で10の店舗・施設を創出。
その原動力が事業におけるクリエイティビティとPDCAのスピード、そして今の時代に合ったチームづくりです。