山陽SC開発株式会社
住所:〒700-0024 岡山県岡山市北区駅元町1-2-301
電話:086-800-0100
岡山・倉敷・福山エリアの駅に隣接する「岡山一番街・さんすて」を開発・管理・運営する会社です。~ショッピングセンターを通じて人とまちをつなぐデベロッパー~
プロフィ―ル(左から)
●M.Y.さん 総務人事課(リーダー)-1児のママ-(産休・育休1年6か月取得)
●O.K.さん 営業部サービス推進課 兼 販売促進課 兼 施設運営課(マネージャー) -1児のパパ-(育休5か月取得)
会社の柔軟さを背景に、それぞれの事情に合った育児休暇を取得
―育休取得でお休みされた期間を教えていただけますか?
O.K.
私は約半年間の育休を取りました。男性としては長めかもしれません。本当は取れるものなら、もっと取りたかったんですが、会社の問題というよりも制度の問題ですね。給付が半年で変わるので、それ以上休むのは家計的に厳しいなと思いました。
M.Y.
私は育休として1年半。さらに有給消化などもあるので、休んだ期間は実質2年近くですね。
―育休取得のきっかけや不安、また取得の後押しになったことは何でしょうか?
O.K.
きっかけは妻の支えになりたいという思いです。それに加え、会社で男性の取得者がこれまでいませんでしたし、世の中的にもちょうど男性の育休取得に目が向き始めた頃だったこともあり、後進のためにも前例を創るべきと考え取得しました。
不安だったのは復職後にどうなるかということと、休む間はチームの他のメンバーに負荷がかかるので、申し訳ないなということでした。ただ、上司や同僚は「チームで補うから大丈夫」「取得はいいこと」とポジティブに対応してくれて、育休取得の背中を押してくれました。復職後にも、ポジションや給与への悪影響はありませんでした。

M.Y.
私は「子育ての時間をできるだけ取りたい」と思っていました。ですから、育休を取って育児に専念できるのは嬉しかったのですが、長く休むほど、復帰後に仕事を忘れてしまうのではという不安はありました。それでも育児を楽しみたい気持ちを優先しました。
―御社の制度の利用しやすさにつながっていることは何だと思いますか?
M.Y.
育休だけでなく、有休やちょっとした相談まで含め、全般的に「言いやすい」雰囲気があります。部署を超えて自由にコミュニケーションを取っている「自由な社風」が制度の使いやすさに良い影響があるんだと思います。
O.K.
私も、制度を誰に遠慮することなく、胸を張って活用できる自由さの影響が大きいと思います。制度があっても上司やまわりの顔色を伺って利用することができないということが一切ないです。そういう意味で自由ですね。もちろんその自由には責任は伴い、やるべきことはやった上での育休です。そうすることで、誰に遠慮することなく利用できます。
子育て経験で広がる視野、変化する暮らしや仕事
―育児経験を経て、日常生活や仕事の進め方、考え方で変化したことはありますか?
O.K.
子育てを通して、施設の利便性を改めて考えました。授乳室、トイレ、エレベーターなどですね。自分一人の時はエレベーターを極力使わないようにしたり、子ども連れや年配の方に自然と目が向くようになり、様子を伺ったり手を差し伸べたりすることが増えました。
―以前は気にならなかった街の景色や行動が、親になったことで意識が変わったのですね
O.K.
そうですね。親にならないと気づかなかった感覚だと思います。
M.Y.
私は復帰後、部署が変わり、16時までの時短勤務を選びました。時間の制約があるからこそ、仕事の進め方を大きく見直し、効率は以前より良くなっていると実感しています。
―具体的にどのような工夫をされましたか?
M.Y.
先の予定から逆算して計画を立てることはもちろん、仕事の優先順位を常に確認するようにしています。そうすることで「モレ」をなくし、期限内に仕事を終えることができます。また、やるからにはこだわりを持って仕事をしたいので、少しでも“考える余裕”を生み出し、議論できる時間をつくっています。
―意識の変化はいかがでしょうか?
M.Y.
以前は「働いていると子どもとの時間がない」とネガティブに考えることもありましたが、「モチベーションを上げて、いきいきと働いているママの姿を子どもにみてほしい」と思えるようになりました。フレックス制度を時短勤務者も使えるようになったのは、子育てと両立するのにとても助かっています。また、この取り組みは子育て社員だけではなく、多くの社員がワークライフバランスを保てるようにと考えられています。

子育てから得た経験を、施設づくりや会社の未来へ活かす
―ご自身の経験を、会社の施設運営や制度改善に活かせるとしたら、どのような提案がありますか?
M.Y.
子どもができてから気づく「今の商業施設にあったらいいもの」があります。例えば、おむつ替えコーナーに赤ちゃんが上を向くような仕掛けや工夫(天井や壁に注目する要素)があると、おむつ替えもさっとできて、便利だと思います。
―具体的な工夫ですね。
M.Y.
また、トイレ個室が狭いと荷物を持って子どもと一緒に入ったら動きにくいとか使いやすさに大きな違いが出ますよね。そうした子育て社員の気づきを持ち寄り、施設づくりに役立てられるプロジェクトがあればいいなと感じています。
O.K.
運営している岡山一番街・さんすての施設は、少し複雑な構造で、そういった面で難しいこともありそうですが、小さな改善なら関係部署と連携してすぐ動かせる点もありそうです。M.Y.さんが言うように、居心地のよい空間づくりや動線の工夫はできそうですね。
また、子育ての制度面では、時短勤務の適用学年を、小3の年度末から小学校卒業まで延長している企業もあるので、「小1・小4の壁」への対応を検討する余地があると思います。
―今後の育休取得について、後輩たちへどのようなメッセージを伝えたいですか?
O.K.
可能なら性別関係なく皆が「育休を当たり前に取る」時代になってほしいですね。さらに言うなら、男性の育休の場合でも、1~2週間の取得では足りないと思います。実際に育休を取ってみて、妻の産後回復や育児や家事など、家族のサポ―トが必要なことはたくさんあると感じました。ですから、もっと長期で取れることがベストですね。私も、次にご縁があれば必ずまた取りたいと思います。今は社内の男性の取得は私だけですが、若手社員が増えてきて、これから育休取得の希望も出てくるかと思いますので、その時は経験を共有してみんなの不安を減らしたいです。
M.Y.
育休取得を迷っている人がいるなら、是非取得してほしいと思います。育休から復帰後も、フレックス制度などを利用しながら、子育てと仕事の両方を諦めることなく、やりがいを持って働ける職場環境があります。仕事しながらでも、子どもとの貴重な時間を確保することができているので、楽しんで子育てしています!今はサポートしてもらっている側ですが、今後は私も自身の経験を活かして、サポートできることを考えていきたいです。
